日本信頼性学会誌 信頼性
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安全システムへのばねの適用と2線系論理(安全確保の実践)
池田 博康蓬原 弘一
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2007 年 29 巻 2 号 p. 107-118

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抄録

安全に関わる機械システムで"ばね"は重要なコンポーネントの一つである.国際規格でばねの利用には二通りの方法が示される.一つは,ばねの故障によりその力の喪失を認めて,ばねを単に機械的操作出力発生のしきい値として利用する方法である.もう一つは,ばねをその力が喪失しない構造として製作し,故障しないコンポーネントとしてばねを利用する方法である.両方法とも国際規格ISO 13849-1では安全確保性能がカテゴリー1として位置付けされる.本橋ではこの二通りの利用例を,機械的コンポーネントにおける力の伝達過程として2線系論理システムで示す.第1章では,ばね力の喪失故障を認めて,その故障状態の発生により結果として制御システムに危険状態を生じない構成方法を示す.第2章では,ばねの力の喪失故障を考慮外とするための条件と,その実施例を示す.

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© 2007 日本信頼性学会
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