2007 年 29 巻 5 号 p. 294-300
人とのコンタクトを前提とする次世代ロボット安全の国際標準化活動がプロジェクトチームRobots in Personal Care(本稿では,「パーソナルケア・ロボット」と呼ぶことにする.)によって始動された.本稿では,筆者が現在携わっているこの国際標準化活動について,その発足経緯から,国内外で参照すべき関連規格の内容を紹介し,今後,いかに国際標準化を戦略的に進めようとしているかについて,国際安全規格策定の取り組み始めの現状と意気込みを述べる.この安全規格策定の意義は,これまでISO-10218「産業環境用ロボット-安全要求事項」一辺倒であったロボット分野の安全規格に新たな分野の安全規格が加わることによって,両者の境界やさらに分類化の議論が生まれる点にあると考えている.