抄録
近年,コンピュータの頭脳であるマイクロプロセッサの信頼性低下が極めて深刻な問題として注目されている.微細加工技術の進歩に伴い劇的な性能向上を達成してきた反面,耐故障性の低下により外部/内部雑音などの影響を受け易くなった.その結果,システムには不具合がなくとも,コンピュータが正しくプログラムを実行できないという極めて深刻な事態となる.このような背景に基づき,近年,マイクロプロセッサの信頼性向上を目的とした様々なアーキテクチャ技術が提案された.本稿では,信頼性向上戦略を整理すると共に,商用マイクロプロセッサの動向も踏まえてアーキテクチャ・レベルでの信頼性向上技術を解説する.