2008 年 30 巻 1 号 p. 51-55
「信頼性ハンドブック」が出版されてから現在までの10年間を振り返って,信頼性,特に筆者の専門分野のフォールトトレランス技術に関したもっとも大きな変化は,(1)半導体の微細化により宇宙線による地上でのソフトエラー(SEU: Single-Event Upset)が現実のものとなった点,(2)同様に半導体の微細化によりチップ内冗長化が実現されつつある点,(3)民生用の部品で構成された人工衛星が実用化の緒についた点,(4)機能安全規格が制定された点,そして,(5)自動車も電子制御化,電動化が進み,X-By-Wireが実用化されつつある点である.