日本信頼性学会誌 信頼性
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品質工学から見た加速試験の課題と展望(ものつくり現場の信頼性の取り組み)
長谷部 光雄
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2009 年 31 巻 2 号 p. 114-119

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抄録
より高信頼性を要求されるようになった現在,多くの時間が必要とされる信頼性試験を今後も実施することは,実際上無理になってきた.従来から加速試験の様々な改善が検討されているが,個々の技術分野に特有の方法であり,汎用的に使える加速試験の考え方は確立されていない.そこで,本報では,時間をかけずに信頼性を確認する一般的な方法論を紹介する.原因を想定して結果を確認するテストの考え方でなく,極端な試験条件を使って製品の弱点を早期に洗い出すという,まったく逆の発想である.ここ数年,台湾や韓国を中心に,サーバーやパソコン,薄型TVなどで行われ始めたHALT/HASS試験もこの考え方に近い.さらに,より対象製品を広げたより汎用性のある方法として,機能性評価という考え方を紹介する.背景の思想には,品質工学のロバスト性の考え方があり,ノイズ条件下での機能の安定性(ロバスト性)を評価すれば,信頼性の評価になるという考えに基づいている.
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© 2009 日本信頼性学会
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