日本信頼性学会誌 信頼性
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情報システムの信頼性・安全性 : モノレール事故が明らかにしたソフトウェアの安全性(情報システムの信頼性・安全性)
中村 英夫
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2009 年 31 巻 6 号 p. 388-393

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抄録

安全関連分野へのソフトウェア導入は,国際規格IEC61508を核とする規格の遵守により対応できるとして,様々な懸念は解決したかに見える.しかし,昨年2月に発生したモノレール事故によって,規格の根幹である「プロセスモデルの確実な実行」のみでは不十分であることが示された.そして,その解決には,鉄道信号の分野において提唱され,30年近い実績を有するソフトウェアアーキテクチャの有効性を認識させるものであった.ただ,この安全性への配慮の根幹をなす思想も,今日の技術進歩の中で変貌を余儀なくされている.本稿では,鉄道で発生したソフトウェアの不具合に起因した事故を紹介し,ソフトウェアにおける安全性設計の在り方について考察する.

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© 2009 日本信頼性学会
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