抄録
現在世界では質量100kg以下の超小型衛星の開発が爆発的に拡大し,高度な技術実証や深宇宙探査といった実践的なミッションが企画されている.一方で超小型衛星の開発コストの低減を目指し,「ほどよし信頼性工学」が提唱され,「ほどよし」な衛星を開発することが目指されている.そこでは「従来の信頼性工学でいうところの信頼度」を実現する確率が重要になってくる.そこで我々は,その確率を求める根本指標として,ソフトウェア工学の手法を参考に衛星のシステムを定量的に評価する「設計の複雑度」を提案し,既に打ち上げられた超小型衛星についてそのアーキテクチャの複雑さを定量的に算出した.またその改善のための指針として活用することを紹介する.これにより「地上でやるべきことが少なくなるような開発」を実現する.