日本信頼性学会誌 信頼性
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機能共鳴分析手法と活動理論の融合による 作業変容に対する安全性分析の方法論的検討
福田 啓介椹木 哲夫堀口 由貴男
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2019 年 41 巻 4 号 p. 249-262

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抄録

 組織的制約下の作業では一定の目的や,規則・規範(規準)に沿い,作業者が実行方法を調整する一方,組織活動は外部の変化や内部での対立・葛藤に誘導され目的や規準を変容させる.既存の安全性分析手法ではこれら作業の実行と組織活動の相互の影響関係が十分に考慮されていない.本研究では,人間の行動は組織活動の規準に媒介されるとする活動理論と,作業の遂行上の部分的な変化の影響が作業全体に伝播することで,作業の一連の手順が変容する過程を追跡するための機能共鳴分析手法を融合する.鉄道の列車運行を例に分析し,組織活動における規準の変容と作業実行時の一連の手順の変容が相互に影響し合い事故出現に至る構造を明らかにする.提案手法により,新たな機械の導入を契機とする,作業の一連の手順の変容やこのような変容が組織活動の中で定着する過程について,事前に把握できることを示す.

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© 2019 日本信頼性学会
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