2020 年 42 巻 6 号 p. 262-269
近年IoT(Internet of Things)の普及や各種SNSの利用拡大,各種メディアの電子化等により,世の中のあらゆる事象のデータが取得できるようになり,これらビッグデータの活用が本格化している.また,このような膨大なデータを扱うための手段として,機械学習やディープラーニングといったAI技術の活用が急速に進んでいる.PMOの活動においても,大量のプロジェクト管理データや企業内のビックデータを用いたプロジェクトの状況判断やプロジェクトリスクの予兆検知の活用が報告されてきている.その一方で,ビックデータやAIを活用するためのデータの収集と蓄積方法やAI分析結果の精度と根拠には少なからず課題があると思われる.本稿では,PMO活動の高度化を目的として,AIを活用したプロジェクトモニタリング活動を推進した経験から,プロジェクトデータの活用,AIのモデル化,分析結果の現場展開について,その課題と実践方法についての取組みを紹介する.