抄録
通信設備の低電圧化による雷耐性の低下に加え,地球温暖化の深刻化に伴う雷日数の増加などによる通信設備の雷被害の増加が懸念される.このような懸念に対し,本研究では,通信インフラ設備の信頼性を確保するため,現在から将来にわたる雷害故障数を推計する手法を提案する.まず,雷害故障数を落雷数と設備数から推計する従来手法に対し,信頼できる将来予測がある人口数を設備数の代わりに使うことの妥当性を確認した.また,落雷数と人口数を説明変数とする重回帰式による雷害故障数の推計方法を提案した.群馬・埼玉・東京の三県域をケーススタディとして検証した結果,従来方法より高精度の雷害故障推定方法であることを確認した.