これまで信頼性試験研究会として,目標品質に対して最適な信頼性試験計画の立て方や,試験結果をさらに詳しく解析することを組み合わせた計量抜取試験計画の導入など,信頼性試験効率の改善に対して提案をおこなってきた.そして,信頼性を機能性で検証しながら設計する品質工学の適用は,故障の発生対策効果を見極めながら開発・設計を進める上で,非常に効率がよいことなども提案してきた.しかし,市場故障を未然に防止するには,過去の故障情報を解析し,故障メカニズムを解明する信頼性試験も必要になる.その試験には,事前の故障情報の解析結果が非常に重要である.そこで当研究会では故障メカニズムを究明するための信頼性試験を効率的に実現し,故障の未然防止を実現するために,以下(1)〜(4)のように段階を追いながら検討を進めることとした.本報告では,電子部品を事例として報告する.(1)市場故障情報の収集と故障解析(故障モード,故障メカニズム,実使用環境)(2)良品解析(脆弱性の観点からの故障予測)(3)ストレス負荷と前兆現象(4)データ解析(故障と経年変化の相関性)
抄録全体を表示