本研究は,乳児保育室の空間構成が子どもの行為や保育者の意識にあたえる影響について,アクションリサーチ的手法を取り入れて明らかにしたものである。0歳児高月齢クラス13名の乳児を自由遊び時間にビデオ観察し,行動の解析を行った。その結果,空間構成の変化とともに乳児の遊びに「落ち着き,集中し,じっくり」とした変化が認められた。また保育者には,子どもの変容を通じて自らの保育を振り返り,環境構成に対する意識の変化が見られた。これらのことから,乳児保育において空間構成は,子ども行為及び保育者の意識に大きく関わることが明らかになった。本研究は,保育の質を高める手法となりうる可能性を示唆していると考える。