保育学研究
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特集号: 保育学研究
61 巻, 3 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
第1部 特集論文
<総説>
原著<論文>
  • ―ドイツ・ハンブルク州の教育計画分析―
    木戸 啓絵
    2023 年 61 巻 3 号 p. 9-20
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2024/03/02
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は,持続可能な社会の実現を目指した保育について,日本の課題を踏まえ,ドイツ・ハンブルク州の先進的な取り組みを参照し,日本への示唆とすることである。ドイツでは,連邦および州レベルで,持続可能な社会に向けた保育のガイドラインを具体的かつ明確に示し,保育現場の行動を促進している。ESDを現場任せにするのではなく,教員研修等の学びや交流の場を設定するなど,教育計画を実践レベルでよりスムーズに展開するための具体策が示され実行されている。こうしたドイツ・ハンブルク州の取り組みを踏まえ,日本にも市民がそれぞれの立場から持続可能な社会に向けた変容と行動を起こし継続するような仕組みが求められている。
  • ―ネル・ノディングズのケアリング論を手がかりに―
    関山 隆一, 横山 草介
    2023 年 61 巻 3 号 p. 21-29
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2024/03/02
    ジャーナル フリー
    地球環境問題が各地で注目を集めるなか,国連はESDの必要性を訴えてきた。そこでは,ESDが生活のあらゆる場面において取り組まれるべきものであり,その実践を実りあるものにするためには,当の実践を支えるための哲学的理念が必要であることが指摘されてきた。そこで本論では生活に埋め込まれたESD実践を支える哲学的理念に資するものとしてノディングズのケアリング論を取り上げ,ケアリング論の視座から幼児教育の文脈におけるいくつかの事例を検討した。検討の結果,ノディングズのケアリング論は生活に埋め込まれたESD実践を支える哲学的理念とその実践的可能性についての1つの示唆を提供し得ることが明らかになった。
原著<依頼論文>
  • ―「触れる」ことから広がる生き物とのかかわり―
    堂本 真実子
    2023 年 61 巻 3 号 p. 31-41
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2024/03/02
    ジャーナル フリー
    人間にとって,地球の資源が有限であることが切実な問題となっている今,SDGsへの取り組みが世界的な渦を巻き起こそうとしている。このSDGsの基底を成すのが,生物多様性である。生物多様性保全は,人間にとって重要な課題でありながら,身近な生き物に触ることすらできない大人は増える一方である。 「触れる」ことは,子どもたちに様々な生き物の存在の確かさを実感させ,生き物の生と死をめぐる様々な物語に子どもたちを出会わせていく。その体験にとってまず必要なのは,生き物が生息する豊かな環境である。そして,命に向かう態度は,保育者が生き物に示す行動(モデル性)や,保育者と子どもの対話によって育まれる。 本論は,事例を通して子どもたちの「触れる」姿に焦点をあて,身近な生き物に親しみを持ち,その命の存在に心を動かす保育の在り方について考察する。
第2部 委員会報告
第22回 国際シンポジウム
第3部 保育の歩み(その2)
英文目次
編集後記
奥付
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