保育学研究
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<原著>
学童保育における保育者は子ども同士をどのようにつなげようとしているのか?
―修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いた保育者の語り分析から―
林 幹士
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2013 年 51 巻 2 号 p. 245-256

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抄録

本研究の目的は,学童保育における保育者が子ども同士をどのようにつなげようとしているのかを明らかにすることである。インタビューにより得られた15名の保育者の語りを,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果,保育者は<遊びを通して>や'取り組みを通して'を含めた日々の保育において,<承認を媒介として>・<相互理解促進支援>。'保護者と保護者をつなぐ'ことで,子ども同士をつなげようとしていた。保育者は,これらの行為を往還的・複合的に繰り返し実践していくことで子ども同士をつなげようとしていたことがわかった。子ども同士をつなげる有用な具体的な視点として,1)子どものいまある力でできていることを承認するという意識を持つ,2)遊び・取り組みをゆるやかにつながる先となるように工夫していく,3)保育中の子ども同士の関係性を保護者へ積極的に発信していく,4)子ども同士のかかわりをつくりだすようにかかわり方の度合いを変化させる,の4点について示した。

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© 2013 一般社団法人 日本保育学会
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