保育学研究
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原著<論文>
5歳児は,園における食事場面をどのように認識しているか
―描画とインタビューの手法を用いて―
淀川 裕美
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2018 年 56 巻 3 号 p. 103-114

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抄録

本研究は,保育所や幼稚園等に通う5歳児クラス園児が,園における食事場面をどのように認識しているかを検討した。3園から36名の協力を得,園児2名一組で描画をしてもらい,インタビューを行った。描画の内容は,①食事の詳しい内容,②食事空間の全体,③食事の段取り,④一緒に食べる友達であった。分析の結果から,給食の園で,園児がどのくらい食べるか主体的に判断している園では,ほぼ全員が主食・主菜・副菜・汁物をバランス良く描き,食事の内容を良く認識していた。また,食事の準備から片付けを園児が主体的に行う園では,食事の段取りも良く認識し描画していた。食事への関心が低い園児は描画の内容が乏しく,援助の検討が必要であることが示唆された。

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© 2018 一般社団法人 日本保育学会
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