2018 年 56 巻 3 号 p. 9-20
本研究の目的は,自由遊び場面の「今ここ」の状況を,保育者がどのようなフレームによって理解しているのかについて明らかにすることである。幼稚園教諭3名(保育歴8年,9年,20年)の自由遊びの保育実践場面をビデオ撮影し,その後,個々に自由遊び場面における様々な状況をどのように理解しながら,子どもたちと関わっているのかについて半構造化面接を行った。その結果,①保育者はフレームによって問題状況を問題とし,問題を解決するために対応していること,②複数のフレームによって,1つの問題状況から問題を構成する場合もあること,③保育者が持つフレームは,それ以前の子どもとの関わりよって得られた子ども理解,保育者の発達観を基にした期待や願いが影響していることの3点が明らかになった。