保育学研究
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原著<論文>
絵本の形態・物語が幼児の分配行動に及ぼす影響
中道 圭人
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2024 年 62 巻 1 号 p. 31-42

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抄録
本研究では,4-6歳児48名に,「共有」という主題を含んだ現実的物語あるいは空想的物語を,紙絵本あるいはデジタル絵本のいずれかで読み聞かせを行い,その読み聞かせ前後で分配課題を行った。分配課題は,参加児が貰ったシール10枚の内の一部を,シールを貰っていない他児と分配するよう求めるものであった。その結果,読み聞かせ後に5枚以上のシールを他児に分配した参加児は,紙絵本/現実群(66.7%)で最も多く,次いでデジタル絵本の現実群(58.3%)と空想群(50.0%)で,紙絵本/空想群(25.0%)で最も少なかった。本研究の結果は,紙絵本・デジタル絵本の双方があることが,子どもの発達を支える豊かな環境に繋がることを示唆した。
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© 2024 一般社団法人 日本保育学会
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