保育学研究
Online ISSN : 2424-1679
Print ISSN : 1340-9808
ISSN-L : 1340-9808
原著<論文>
アタッチメント理論に基づく洞察と応答性のルーブリックの開発
―実習生と初任保育士を対象として―
多川 則子関谷 みのぶ堀 美鈴
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 62 巻 1 号 p. 55-66

詳細
抄録
本研究の目的は洞察(子どもの気持ちに気づくこと)と応答性(共感的な対応を取ること)のルーブリックを開発することであった。研究1で試行版を実施し,研究2では修正版を用い,実習生57名と初任保育士19名を分析対象とした。その結果,保育者効力感との間に低いから中程度の,有意な正の相関がみられ,一定の妥当性が確認された。また,自己評価ツールとしての有用性も示された。検定の結果は有意傾向であったが,洞察と応答性の3項目が,実習生よりも初任保育士の方が高い傾向が示唆され,一方で,初任保育士の保育者効力感が低い傾向が示唆された。ルーブリックの初任保育士支援のツールとしての意義や今後の課題について考察された。
著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本保育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top