2009 年 2 巻 2 号 p. 35-47
2008年4月,容器包装リサイクル法の下で事業者が市町村に資金を拠出する制度(資金拠出制度)が新たに施行され,1997年に施行された再商品化委託料金制度とともに,容器包装リサイクル法の下で2つの費用負担制度が併用される運びとなった.本稿は,2つの費用負担制度の並立がどのような政策効果をもたらすかを評価する.そのために,再商品化委託料金制度の概要を論じたうえで,資金拠出制度の制度枠組みの特徴を資金拠出水準ならびに資金分配方法に着目して検討した.そのなかで,事業者が拠出する資金の水準を定める算定体系が事業者の環境配慮設計の促進効果を減速させるインセンティブ構造を持つこと,その資金を市町村に分配する算定体系が市町村間の公平性の問題を新たにを引き起こすことを明らかにした.