使用済み製品の適切な回収は,環境負荷を減らしうると言われている.この回収を進める方策として,デポジット制度の導入がしばしば提起される.しかし,経済学的な理論に則して,返却の手間に関する消費者ヘのアンケートを行いつつ,デポジット制度の影響を検討することは十分に行われているとは言いがたい.例えば,全国の多くの大学生協で,回収・リサイクルを企図した弁当容器が使われているが,それらの事例でデポジット制度の経済学的な検討が行われているとは言いがたい.本稿では,弁当容器回収を例に,消費者へのアンケートで得た回答を基に,デポジット制度導入の経済学的な検討を行う方法,および今後の方向性を示した.