抄録
デジェリーヌ症候群とは延髄内側の病巣によって生ずる症候群とされ,運動機能・嚥下機能・構音・日常生活動作に重度の障害を生じ,その予後は不良であることが知られている.本研究では,重度の機能障害を有した対象者に対して,応用行動分析学に基づく日常生活動作練習を行うことで介助量の軽減を試みた.対象者は69歳男性.回復期リハビリテーション病院における介入開始時(第47病日)には重度の運動麻痺および認知機能障害を認めており,日常生活動作は全般に介助を要していた.本対象者の日常生活動作障害に対して,失敗体験や試行錯誤を少なくし,適応的な行動に対して賞賛などの強化刺激が得られる環境下で介入を実施した.介入の結果,日常生活動作の介助量は改善し,第223病日に自宅退院となった.重度の機能障害を有した対象者に対しても,応用行動分析学に基づく日常生活動作練習は有効であることが示唆された.