2012 年 39 巻 1 号 p. 23-32
本研究の目的は大学生を対象として多次元的な観点から発達障碍児者と身体障碍児者それぞれに対する態度尺度を作成し,態度と学習経験および接触経験との関連について検討することと,接触経験における体験内容と学習経験との関係を検討することであった。その結果,身体障碍児者に対する態度について,接触と学習それぞれの経験がある人は一部の因子において態度が肯定的であった。発達障碍児者に対する態度について,接触と学習のどちらも経験している人は一部の因子において態度が肯定的であった。一方で,発達障碍児者との接触経験のみでは肯定的な態度との関連は見られなかった。接触経験における体験内容については,障碍の特性の違いによって学習経験が体験内容に及ぼす影響が異なることが示唆された。これらのことから,障碍児者に関する学習経験と接触経験における体験内容とは関連があり,それらが態度形成に影響を及ぼすことが推察された。