2013 年 14 巻 1 号 p. 100-109
要旨: 【目的】タイ東北地方の農村地域における CBR の有効性を明らかにすること.【方法】タイ東北地方の農村2地域に在住する障害児者43名を対象とした. CBR 介入を行った CBR 群, 行わなかった非 CBR 群の介入前後での群間比較を行った. 調査項目は, 基本属性と ADL, QOL, 障害児者とその家族の考えの聴取等であった.【結果】2回目の調査を実施できた36名を分析対象とし, CBR 群は17名, 非 CBR 群は19名だった. ADL は, CBR 群のみで有意に上昇した. 障害児者とその家族の考え方の聴取結果は, 1回目の調査では「障害児者とその家族の現状」等3つのカテゴリーに, 2回目の調査では,「障害児者とその家族の CBR 介入後の変化」等4つのカテゴリーにまとまった.【結論】CBR は, 対象地域の障害児者とその家族に有効であった.この CBR 活動の継続と発展, 他地域での CBR の導入が望まれる.