リハビリテーション連携科学
Online ISSN : 2435-7111
Print ISSN : 1880-7348
資料
市民後見人の育成 ・ 支援の現状と課題: Z 県成年後見実施機関に対する訪問面接調査を踏まえて
永野 叙子小澤 温
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 20 巻 1 号 p. 63-68

詳細
抄録

【目的】市民後見人の育成の現状と支援課題を明らかにする. 【方法】市民後見人受任累計件数の多い Z 県下12か所の成年後見実施機関に対して, 訪問面接調査を実施した. 【結果】市民後見人の育成は, 市区町村の財政上の自由度にかかわらず実施されてきた. 育成課程は地域の後見ニーズによって多様であったが, 対人援助技術の習得に重きが置かれていた. ただし育成件数は, 二極化の傾向がみられた. 支援では, ケア会議の開催, 同行支援等が実施され, 支援と監督両方の業務を担う職員から負担感が聞かれた. 【結論】実施機関は, 市民後見人の活動報告に対する定期的なフィードバックを推進し, 市民後見人は活動報告に担当ケースの観察, 気づき, 実施内容等の記録を重ねていくことが, 終末期の医療判断や実施機関との情報共有に役立ち, 双方にとって有益である.

著者関連情報
© 2019 日本リハビリテーション連携科学学会
前の記事
feedback
Top