リハビリテーション連携科学
Online ISSN : 2435-7111
Print ISSN : 1880-7348
資料
近隣との問題を抱える精神障害者を対象とした民生委員の支援経験と困難感
磯村 聰子守田 孝恵
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 21 巻 2 号 p. 137-149

詳細
抄録

【目的】近隣との問題を抱える精神障害者を対象とした民生委員の支援経験と困難感を明らかにすることを目的とした. 【方法】A 県の民生委員15名を対象に半構造化面接を実施し, データを質的記述的に分析した. 【結果】民生委員の精神障害者に対する支援経験は【精神障害者と近隣住民との関係性を把握する】【近隣トラブルへの対応と予防的はたらきかけ】【関係機関との連携】【精神障害者への支援に対する使命感】の4カテゴリー, 困難感は【関わりづらい精神障害者への支援に対する重責感】【精神障害者への支援と民生委員活動の限界との葛藤】の2カテゴリーに分類できた. 【結論】精神障害者に対し民生委員は関係機関と連携し, 住民の立場で支援していた. 民生委員はケース把握や状態の悪い時の関わり等に困難感を抱え, 対応への自信が持てない状況であった. 民生委員が, 地域の関係機関等と連携した活動を促進することによって, 困難感の改善 ・ 解決が期待できる.

著者関連情報
© 2020 日本リハビリテーション連携科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top