2021 年 22 巻 2 号 p. 84-91
抄録: 【目的】 本研究では相談支援事業において提供されるサービスの質の向上において着目すべき評価の視点について相談支援専門員を対象としたインタビュー調査を通して明らかにすることとした. 【方法】 日本社会福祉士会と日本精神保健福祉士協会から推薦された相談支援専門員計11名に対してそれぞれの団体ごとにグループインタビューを行い, そこで得られたデータを用いて佐藤の質的データ分析法を参考にした分析を行った. 【結果】 インタビューデータより34のデータを抽出し, そのなかで7つのコードを生成し, これらのコードについて焦点的コーディングを行った. その結果, 相談支援事業において提供されるサービスの質の向上について着目すべき評価の視点に関して, 「クライエントに対する働きかけ」「社会資源の活用」「地域における働きかけ」 という3つの概念的カテゴリーを生成した. 【結論】 本研究において明らかになった7つのコードと3つの概念的カテゴリーからなる相談支援事業の実践および評価の視点を基に, その実践および評価が適切に行われていくことが今後必要になるといえる.