実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
論文
ジッバーリ語の2音節語におけるプロソディー
音響音声学的記述とその解釈
二ノ宮 崇司
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2010 年 2 巻 p. 1-17

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抄録

Johnstone (1981) においてジッバーリ語の多音節語でストレスが1単語内に複数箇所置かれる場合がある。しかし、音声学的にストレスは1単語内1箇所だけ置かれるのが原則であり、ジッバーリ語の多音節語のプロソディーについては不明な点が多い。本稿はジッバーリ語の2音節語のうち、Johnstoneがストレス記号を1単語内に2箇所付した事例とそうでない事例を音響音音声学的に記述することによって、英語母語話者であるJohnstoneがそれらの事例をどのように捉えていたのかを音響面から間接的に探ることを目的とする。ピッチ、時間長、音圧の音響解析をした結果、Johnstone (1981) のストレス記号は音圧が軸でありながらも、ピッチと時間長も加味されたものであるということが間接的に分った。特に、ストレス記号が1単語内に2箇所付された事例は、音圧、ピッチ、時間長が複雑に絡んでいた。

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