実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
特集論文
韓国人日本語学習者の音声の時間的特徴とその速度感
丸島 歩
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2017 年 9 巻 p. 109-130

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抄録

日本語学習者が話速をどのように調節し、その速度感がどのように聞かれるのかについて、音声の音響実験と聴取実験を行った。

音響実験では学習者に短い文章を3 種類の話速で読ませたものを、母語話者にも同じように読ませた音声と比較した。その結果、学習者音声は話速を変化させることができたものの、全体的に母語話者音声よりも遅く、ポーズを挿入する位置の規範意識が弱いことが観察された。

聴取実験では学習者音声を母語話者が聞き、速度感の判断をした。学習者音声は母語話者よりも速く聞こえる傾向が見られたが、速い音声では発話部分が、遅い音声ではポーズ部分が判断材料としてより有効に働く点は、母語話者音声と共通していた。

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