都市収縮期におけるこれから起こりうる副作用に焦点をあて分析をすすめた。中心市街地における副作用相互の関係をDEMATEL法を用いて、計量的そして客観的に把握した。得られた成果は以下の通りである。(1)既往文献による本研究の位置づけを整理し、福井市程度の都市を想定して都市形成の収縮過程における主作用と副作用について列挙し、各項目相互の関係について整理した。その結果、中心市街地における夜間人口と昼間人口の増加から多くの副作用が波及していく結果となった。(2)副作用の要因をより客観的にとらえるためにDEMATEL法を用いた要因構造の分析を行った。その結果、土地利用の規制、公共施設の再移設、公共交通ネットワークの整備などの優先政策を示すことができた。