2012 年 10 巻 4 号 p. 199-204
本研究は、個人の背景とサービス享受度が住民の公共交通に対する評価意識とどのような因果関係を持っているかについて、豊田市におけるケーススタディを通じて明らかにしようとするものである。まず、公共交通の政策評価について一般的傾向を把握する。次に、個人の背景を構成すると考えられる各指標と公共交通の政策評価の関係性について明らかにする。次に公共交通のサービス享受度と政策評価の関係性について、特に「サービスへの可達性」と「サービスの相対利便性」の観点から明らかにする。最後に共分散構造分析による個人の背景とサービス享受度を踏まえた公共交通の評価構造モデルを構築し、それぞれの公共交通評価につながる影響関係を明らかにする