2012 年 10 巻 4 号 p. 217-223
本研究では、線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域の統合において、線引き制度を廃止した上で自主条例による土地利用コントロールの実施を予定している長野県安曇野市の事例を考察する。<br>安曇野市では、平成17年の町村合併後から、有識者による検討と一般市民による検討を約5年間実施した。その結果、市民の目指す都市像を実現させるためには自主条例による土地利用コントロールが適当であるという結論に至った。線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域の統合においては、統合後の土地利用コントロールが大きな課題となるが、線引き制度を廃止し、自主条例を主体に土地利用コントロールを実施している事例は確認できない。したがって、本研究の成果が上記のような都市計画区域の統合に関する新たな知見になるものと考える。