2012 年 11 巻 2 号 p. 91-97
東日本大震災の被災地は、コミュニティのつながりが強い反面、長老等の発言権が強く、誰もが自由に議論できる環境とは必ずしも言えない。しかし、復興には長い時間がかかるので、人口が減少している日本の地方都市や漁村では、若い世代の復興まちづくりに関する意見を反映させることや、地域への貢献が特に重要となってくる。<br>筆者は、宮城県南三陸町の役場で復興計画の策定について、集団移転の制度や市民参加などについて助言する形で支援してきた。本研究では、大人がつくった町の復興計画のプロセスと、中学生が学校の総合学習の時間を利用して考えた地域の復興計画を比較しながら、若い世代が地域の復興まちづくりに参画していく意義について述べる。