2013 年 11 巻 4 号 p. 138-143
本研究では大都市圏郊外の戸建て住宅に対する自治体の空き家対策に着目し、アンケート調査とヒアリング調査の2つで、自治体の空き家対策の取り組みの現状と課題を明らかにした。対象都市は三大都市圏の郊外部に立地する都市である。調査の結果、近畿圏と首都圏では半数近くの自治体が対策を行っておらず、実施しているのは近畿圏で28.3%、首都圏で15.9%であることが判明した。空き家の増加が問題視されているが、大都市圏近郊では空き家の増加がまだ起きていないと言える。最も行われている対策は適正管理の依頼であり、環境保全に関する法律で対応している。また、適正管理の依頼をする上で、所有者が亡くなっており、空き家の所有者が特定できないことが問題であることも判明した