都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
絵画・スケッチ・対話をとおして見る京都・大原の人と暮らしの風景
稲荷 瑞季落合 知帆小林 正美
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2013 年 11 巻 4 号 p. 180-183

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抄録

京都・大原は古くから都人の隠遁の地であり、また薪炭の行商人である大原女の里としても知られてきた。本研究では、外部者がもつ大原のイメージを絵画によって明らかにしたうえで、大原に生まれ育った人が営む実際の生活とその風景をスケッチと口述を用いて把握することを目的としている。大原を描く画家が最もよく好んだ主題は「大原女」であり、彼らは自給自足の生活を営み、自ら労働する女性の姿に“素朴の美”を見出していた。一方で、大原女経験を持つ個人の語りから明らかになったのは、美しさの背後にある労働の苛酷さや悲哀や苦悩を抱いた生身の人間の姿であり、本研究では口述とスケッチを通して人とその人の営み(暮らし)の風景を描き出した。

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