1990年代以降、芸術による地域づくりが全国的に展開されている。例えば、新潟県の大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭、奈良県町家の芸術祭、など様々な空間を利活用し地域づくりの実現に向けた取り組みが展開されている。ここでは、奈良県町家の芸術祭を事例として取り上げ、町家の私用空間を利活用したまちづくり計画策定と展開を明らかにするために、町家の芸術祭の事業計画とその取組の実態を分析する。具体的に、①奈良県町家の概要と町家の利活用に向けた取り組みを整理する。②奈良県のまちづくりに向けた事業計画と実際を述べる。③事業計画の実施に関する各地域の取組と事例分析を行う。④今後町家の利活用からまちづくりに向けた計画策定と展開の方向性を提示する。