2018 年 17 巻 2 号 p. 277-282
本研究は、戦災復興都市計画において河川沿い緑地が計画された都市を対象に、河川沿い緑地計画の特徴と趣旨を明らかにすることを目的とする。研究の成果は以下の通りである。広島市においては河川沿い緑地の構想が種々の人々によって唱えられ、河川の美を生かすために計画された。呉市、宇部市、鹿児島市、徳島市においても「都市美」、「美観」、「観光」に寄与するねらいをもって計画された。徳島市においては、河川沿い緑地に関する論争の存在も確認した。人工河川沿いに公園道路が計画された前橋市と富山市では、水辺を散歩道として確保して公園間をつなぐという構想が確認された。