海岸観光地である地方自治体における津波被害対策に対する施策の実態を明らかにする研究として、神奈川県相模湾沿岸地域の6市町の防災担当、観光担当の役場職員に対するインタビュー調査を行った。調査の結果、第一に、6市町が同じ相模湾沿岸地域に位置しているといえども、予想される津波被害の程度は多様であること、また各市町で行われている観光活動には共通点はあるもののやはり多様である状況が整理できた。また、第二に現状の各役場における津波被害対策は上位行政組織と連動しているもの以外は比較的独立しているため、観光客を視野に入れた津波被害対策を行うためには、各市町の連携を緊密に図ると効果的であることが示唆された。