2019 年 18 巻 3 号 p. 228-233
近年,自動運転車に商業や医療といった都市機能を搭載したADVUS(Automated Driving Vehicles with Utility Services)の開発が進んでいる.ADVUSは,無人で柔軟に都市機能を供給できることから,導入することで生活利便性の向上が期待される.しかし,ADVUSを導入する地域特性を考慮しなければ,結果的に既存の固定施設と競合し,施設を撤退させることが懸念される.そこで本研究は,「都市の人口変化時に生じる都市機能不足に対応する」という目的でADVUSを導入することを提案し,上記に該当する地域を全国の市区町村を対象に抽出した.その結果,人口減少地域では,特定の中山間部に位置する市区町村や人口減少率が特に高い市区町村が抽出された.また,人口増加地域では,大都市近郊のベッドタウンや新たなインフラ開発が行われた市区町村が抽出された.