2021 年 19 巻 4 号 p. 396-399
2016年熊本地震では東日本大震災以降で初めて、借上げ仮設住宅が大量に供給された。本研究では借上げ仮設住宅の入居世帯や居住実態などの特徴を明らかにするために、2016年熊本地震において熊本県益城町で被災し、借上げ仮設住宅へ入居した世帯へのアンケート調査を行い、その結果を同じく益城町で被災し建設型仮設住宅へ入居した世帯への調査と比較した。結果として、建設型に比べて借上型は被災者の早期で大量の仮住まいの確保を可能にしたが、多くの被災者の被災前居住地からの転出が発生していた。また建設型に比べて、入居世帯には子供や高齢者を含む世帯が少なく、益城町外での恒久住宅再建を希望する世帯が多い傾向があった。