2021 年 19 巻 4 号 p. 400-403
2016年熊本地震では東日本大震災以降で初めて、借上げ仮設住宅が大量に供給された。本研究では借上げ仮設住宅の入居世帯や居住実態などの特徴を明らかにするために、2016年熊本地震において熊本県益城町で被災し、借上げ仮設住宅へ入居した世帯へのアンケート調査を行い、その結果を東日本大震災において岩手県の借上げ仮設住宅へ入居した世帯への調査と比較した。結果として、両災害で借上げ仮設住宅の物件取得のために、被災者自身の人間関係を通じた取得が大きな役割を果たしていた。また両災害において、入居時に被災前居住地から転出した世帯が多かったが、熊本地震では入居時に転出した世帯の8割が恒久住宅再建時に元の市町村に戻って再建していた。