2021 年 19 巻 4 号 p. 457-464
本研究は、開発年代の異なる2つのニュータウンを対象に、空き地の利点や欠点に関する住民意識構造を調べるとともに、住民の個人属性や地域特性が空き地の評価に与える影響を検討した。分析の結果、ニュータウンの地域が活性化している傾向にあると認識する人ほど、空き地をプラスの方向に評価する傾向が示された。新しいニュータウンは子供が多く、地域の活性化が進み、古いニュータウンでは少子高齢化により地域の活性化が衰退している傾向が示された。人口減少がすすむ地域は、今後、空き地が増加する傾向が予想されるため、空き地そのもののイメージ・印象がよいものではなく、空き地の利点・欠点においてもマイナスの方向に評価される可能性がある。