都市環境の質の向上を目的とした景観選好に有用な指標として、緑視率が既に確立している。本研究は視野内の空の比率(空率)が景観選好に及ぼす影響を緑視率との相互的作用を考慮した上で検討した。まず、戸建住宅を中心とした住居地域の景観を撮影し、写真を「空大緑大」、「空大緑小」、「空小緑大」、「空小緑小」に分類した。そして、分類に応じた写真に対する選好についてウェブを介し質問票調査を行い、コンジョイント分析より影響度を分析した。結果として、空率が景観選好に正の影響を及ぼしており、空率を考慮する意義が確認された。空率が低い場合に高い場合より緑視率の景観選好への影響が大きくなり、緑化を空率が低い地区で推進することが重要であると考えられた。