2021 年 19 巻 4 号 p. 534-539
近年、多くの都市で中心市街地や駅前空間における人々の居場所が再評価されてきている。なんば駅前は地下と地上が一体となった立体的な構造になっている。本研究では、改札通行量調査と追跡調査から立体的なターミナル駅の駅前空間の利用実態を明らかにすることが目的である。結果として、老年層は比較的改札付近を目的としている人が多く、若年層、中年層は娯楽や飲食店、小売店など改札から少し離れた地点を目的としていることからなんばの回遊は若年層、中年層が形成しているといえる。立体的であるなんばの特徴として丸井、高島屋などの商業施設が地下から地上へ出るための1つの手段として利用されていることが分かった。