2003 年 2 巻 2 号 p. 65-70
本研究では、需要者側からの選択基準や需要者が分譲マンションを購入の際に重視する点を明確にすることを目的とした。特に山本(1999)の研究結果を利用して、需要者のマンションに望む要素をキーワード分類しアンケートを実施した。 アンケートの結果から、需要者側として最も気にするところが、供給側からは要素として挙げられていない「立地」であることが分かった。また、需要者側では「音」に対して重要視する傾向が明確に提示された。すなわち、売ることを主眼とする供給者側と購入後の生活を考える購入者の温度差があることも分かった。 属性別のクロス集計の結果年齢ごとや性別ごとに重要視する点は異なる事がわかる。さらに、住居形態の民間分譲と公団分譲の比較では、全く異なる嗜好・購入選択行動も伺える結果を得た。多様な需要者層に対する多様な供給が望まれるということである。