本稿は、京都市で行われた住民参加型の小広場改修事業について、整備目標と基本計画の関係を検討した前回報告に引き続くもので、基本計画のデザインが施工段階でどのように変化したかを整理し、施工への参加(手づくり作業)がどのような影響をデザインの変化に与えたかを考察することを目的とした。各広場のデザイン要素の基本計画から改修後への変化のパターンを比較した結果、(1)基本計画と比べ、手づくり感やそれによる独自性が重視されたこと(2)手づくり作業を促進する中で、計画の詳細さによって、基本計画に対する実行性と「逸脱」の大小が生まれたこと(3)住民参加のデザイン形成においては、参加者の意欲を考慮して、基本計画の実行性とともに、施工段階での「逸脱」も重視する視点を持つべきことを結論づけた。