本研究では東京都23 区を対象に、都市計画マスタープラン及び道路整備方針を用いて生活道路の道路分類の実態を確かめた。全ての区で道路整備を主目的として考えられており、統一的な道路分類が作成されていない区や地域も存在することが明らかとなった。道路分類の名称や配置間隔・道路幅員目安が区ごとに異なり、道路が密接に接続しあう23 区内という限られた中でも、細かな道路の分類方法や道路に求める機能に差がある。最も身近な公共空間である生活道路を、欧州のボンエルフのように滞留行為を許容する道路を設け多様な道路活用を促すためには、道路の機能・使い方に主眼を置き、特に「生活の場」としての利用を含めた道路の段階的分類を統一的に作成する必要がある。