2022 年 20 巻 4 号 p. 415-422
本研究は、定額済放題サービスを利用した多拠点生活における居住動態パターンとライフスタイルを模索していくプロセスが、どのように新たなライフスタイルへの志向を形成しているのかを明らかにする。①移動がある場所へ訪れるための手段でなく、環境を変化させる目的になっている。②その場限りでありながら生活の情報交換を通じて多様な価値観にふれる関わり「流動的共生員」を求めている。③居住動態パターンは、生活に対する要求の影響を受け、そのパターンの違いにより志向も変化する。このライフスタイルは、従来の定住および地縁コミュニティで暮らす志向を持った人と異なり、自由に住む場所を移動し、働き、人と関わりたい志向を持った人のための生活である。