都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
これからの自律的な民間緑地整備に関する考察
植田 直樹村上 暁信横張 真
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2023 年 22 巻 2 号 p. 194-197

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抄録

国土交通省の「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価の在り方検討会」の中間とりまとめによれば,これからの緑地の多様な価値の発揮に向けて民間の投資を誘導し,自律的な取り組みを誘導できるような仕組みの構築が必要であり,そのためには評価認証制度が有効とされている。既往研究では,緑地の存在価値と利用価値について,単独の緑地によるものか,複数の緑地によるものかの視点を加えて整理するSMEU-Matrix という概念が提示されており,既存の評価認証制度はそのうちの利用価値の発揮や複数の緑地による価値の発揮の程度を評価判断に加えていることが判明している。また民間の取り組みは「他律的なもの」と「自律的なもの」に大別され,評価認証制度は後者に資する短期的な動機である。長期的な動機となり得るような資産価値の向上に対する見込みが将来に担保されるようなエリアマネジメントと緑地の連動した仕組みの構築も必要と考えられる。

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