2023 年 22 巻 2 号 p. 198-202
本稿では、当社が実施した実証実験を基に、ワーケーションが実施された和歌山県・長崎県・徳島県の3県について、産業連関分析による経済波及効果の推計を試みた。実証実験を基に算出した各県の一人一泊当たりの平均支出額と、推計した各県の年間ワーケーション参加者数を用いて経済波及効果を推計したところ、和歌山県では約5億円、徳島県では約2億720万円、長崎県では約2億7,500万円となった。また、ワーケーションに加えて、再訪、移住・定住、二拠点居住につながった場合の経済波及効果も算出し、10年間で生じる経済波及効果の合計は、和歌山県では約123億円、徳島県では約58億円、長崎県では約136億円となった。