インフラの効率化につながる交通の「ピークレス化」は、COVID-19流行以降ますます注目が高まっている。しかし、ピークレス自体の定義が曖昧であり、その定量的な評価指標もこれまで存在していなかった。本研究ではまず、ピークレスの概念について整理したうえで、ピークのない平準な状態からの乖離と時間帯による交通需要の変動幅を考慮した、ピークレスの評価指標を提案した。そして、COVID-19流行下に交通のピークレス化が実現しているのかを個人の行動データを用いて検証した。その結果、(i)公共交通は利用量が減少し、かつピークレス化する方向の変化であったこと、(ii)車バイクは三大都市圏中心都市を除くとピークレス化と逆行する変化を見せていたことが明らかになった。